カード能力変更発表!
前回のエントリで予定されているカード能力変更にどんなものが来るのか予想しましたが、本日ついにその答えが発表されました。
【カード能力変更について】
— エル@[公式]デュエルエクスマキナ (@duelsx_info) 2017年6月21日
ガーディアンパワー・カード能力変更に関するゲーム内お知らせをアップしていますっ。
6/29予定のアップデートにて変更が実施され、アップデート以降、期間限定で、対象のテュール、デーモンスネイル分解時に獲得できるマナのかけらが増量します。 #DXM pic.twitter.com/GLmYjejNAt
内容は《百戦神 テュール》《魔蝸牛 デーモンスネイル》の2枚とハデスのガーディアンパワーをNerfするというもの。それぞれについて感想を書いてみます。
《百戦神 テュール》
事前の予想では被ダメージ時の味方へのBuffをATKのみにするのではないかと予想していましたが、この予想は半分正解、半分不正解でした。
実際予想通りに能力がNerfされたのですが、それだけにとどまらずコストも1重くされるというかなり徹底した調整がなされることとなっています。
個人的にはHPへのBuffがなくなるだけでパワーレベルは大きく下がり問題のないレベルになるだろうと考えているのでこの決定はかなり意外ですし、ここまで徹底してNerfする必要はあったのか疑問に思います。単にパワーレベルが高すぎただけで存在すること自体が不健全というタイプのカードでは決してないですしね。
《魔蝸牛 デーモンスネイル》
Nerfされる可能性はあるもののあまり高くはないだろうと予想していたのでやや意外ではありますが、このカードがNerfされること自体には大いに納得できます。
他の強いニュートラルカード、例えばサナムなんかは今でこそ非常に多くのデッキで採用されているものの、今後新しいカードが追加され全体的なカードパワーがインフレしていく中でやがて相対的に強すぎることはなくなり今のように多くのデッキで使われることはなくなるだろうと予想できますが、デーモンスネイルだけはそのようには思えません。仮にデーモンスネイルと並ぶくらいの強さの1マナユニットが数多く追加されたとしても、デーモンスネイルも含めて1マナユニットを大量に入れたデッキが活躍するだけです。そうなってもデーモンスネイルは強いままでしょう。Nerfしない限り今後長期間に渡ってデーモンスネイルはエースであり続けるでしょう。
優秀な1マナユニットの数が多すぎると環境がアグロに寄りすぎてしまう懸念もあるため、今後のカード追加のためにも今のうちにデーモンスネイルをNerfしておくというのは良い措置のように思います。
ただ、個人的に残念なところもあります。デュエルエクスマキナが運ゲーか実力ゲーかというと、これは他のTCGタイトルと比べてかなり実力ゲーに寄ったゲームだなと感じているのですが、その中で特に強い運要素が初手にデーモンスネイルがあるかないかでした。私はカードゲームにはある程度の運要素が必要で実力ゲーに寄りすぎるのはあまりよくないと考えているので、運要素が減ってしまうことはやや残念に思います。
ハデスのガーディアンパワー
これは予想通りの変更でしたね。ハデスのガーディアンパワーは性能が高すぎました。
ガーディアンパワーをボードの処理のために使うかフェイスを削るために使うかという興味深い選択がなくなってしまうのは残念ですが、ハデスのガーディアンパワーが今まで通りである限りオリンポスにはアグロ方向で強いカードが追加しづらく作れるカードの幅を狭めてしまうので今のうちにNerfして正解でしょう。
また、ハデスがNerfされ数を減らすと、これまで「爆ぜるからゴミ」という評価を下されていたHP1のユニットの評価が上がることになるかもしれません。
総評
Nerfの仕方については「テュールはやりすぎでは…」と思うところもあるものの、どこにメスを入れるかという点については今回の変更は非常に納得のいくものでした。
これは運営サイドが現在の問題点について妥当な認識を持っていることの表れと見ることができ、プレイヤーとしては安心できますね。
Nerf後環境はどうなる?
新カード追加までの短い期間ではありますが、Nerfの適用後の環境はどうなるのでしょうか?
まず、アスガルドが相当に地位を下げることは間違いないでしょう。アスガルドはテュールのカードパワーがあるがゆえに強かった勢力であり、テュールを失うと平凡です。回復とAoEがあるためアグロに対するアンチデッキという立ち位置は確保できそうですが、その程度です。
オリンポスは攻撃的な構成であればハデスを使う必要性がほぼなくなったので、アテナに人が流れることとなるでしょう。
アグロデッキはデーモンスネイルというベストな1マナユニットを失ったことが痛手ですが、同時に相手がデーモンスネイルを出してくることもなくなるというのは嬉しい変化です。自分が1マナユニットを出しても相手にデーモンスネイルを出されてしまうと差をつけられませんが、自分だけ1マナユニットを出して相手が1マナで何もしないのであれば差をつけることができます。
そして、勢力間のバランスとしては、強い2勢力にNerfが入り他の3勢力はそのままなわけですから、格差が縮まりバランスは改善されるでしょう。
自分はアグロが好き、オリンポス愛してるというタイプのプレイヤーなので変更が適用されたらアテナを組んでみようかなーと考えています。
カード能力変更を予想!
公式からカード能力変更を行うという発表がありました。
【お知らせ】
— エル@[公式]デュエルエクスマキナ (@duelsx_info) 2017年6月14日
カード能力変更の日程について、ゲーム内にお知らせをアップしています。
※本件に関するお問い合わせはゲーム内のお問い合わせからお願い致します #DXM pic.twitter.com/qjFjqXNM97
今のところなんらかの変更が行われるということとアップデート予定日だけしか明らかになっておらず、どんな変更がなされるのかも変更内容をいつ発表するのかも不明となっています。
と、いうわけで! 今回どのような変更が行われるのか予想してみたいと思います!
カードのBuff(強化)調整は行われない
公式の発表ではカードの能力変更としか書かれておらず、Nerf(弱体化)調整だけでなくBuff(強化)調整の可能性もありえます。しかし、おそらくBuff調整は行われないでしょう。
そう予想できる理由として、まず第一にユーザーへの補填の問題があります。
Nerf調整であれば補填の方法は簡単で、Nerfされたカードを分解したときに得られるマナのかけらをそのカードを作成するときに必要となる数と同じにすればOKです。この方法はHearthstoneやShadowverseで行われているものなので、多くのユーザーにとって納得のいくものでしょう。
一方Buff調整の場合、「弱いと思って分解しちゃったよ!」というユーザーに補填するためには全ユーザーの履歴を確認し該当カードを分解したユーザーに同じカードを作成するのに必要なだけのマナのかけらを個別に配るということをしなければなりません。これはかなり厄介です。技術的に可能なのかも怪しいところです。
そして第二の理由として、新カードの魅力を高めたいだろうということがあります。
来月中には大規模カードセットの追加が予定されています。やはり新しいカードが強くて魅力的で、みんながガチャを回したくなるのが望ましいわけです。
そうなると、既存カードを強化してバランスを取ろうとするよりも強い新カードを出すことでバランスを取るほうが絶対にいいですし、既存カードが強くなってしまうことで相対的に新カードが魅力的に見えなくなってしまうリスクは取りたくないでしょう。
というわけで、おそらく変更はNerfだけでBuffはないだろうと予想しています。
Nerfされそうなカードランキング
1位《百戦神 テュール》
このカードが真っ先にNerfの候補となることに異論のある方はほぼいないでしょう。
烈火の軍狼の追加以降ずっとアスガルドは最大勢力であり、その原動力はまさにこのカードの飛び抜けたカードパワーにあります。要するに、強すぎてメタゲームを歪めてしまっているわけです。
Nerfがされる場合、その変更内容はおそらく被ダメージ時の味方Buff能力をATKとHPの両方ではなくATKのみでHPはBuffしないようにするのではないかと思います。
これまでテュールが上手く機能するゲームではすぐに返すのが困難な場が作られてしまい一方的なゲームが多発していました。この返しにくさの原因はまさにHPへのBuffにあります。頑張ってテュールを倒しても、その過程で横のユニットのHPが上昇してしまうためその横のユニットが対処できずにどうしようもなくなってしまっていたのです。
HPをBuffしなければ打点は上昇しても対処のしにくさは上昇しないため、一方的なゲームにはなりにくくなるでしょう。
また、ルールが直感的でないというのもテュールの抱えている問題のひとつです。
相手の場の同じ横列にテュールとHP2の他のユニットがいるとき、全体に2ダメージを与えるカードを使ってもテュールの横のユニットは死にません。まず2ダメージによってHPが0になりますが、死亡判定の前にテュールの能力が働くためHPが1になり生き残ります。
これは初見では絶対にわからない直感的でない仕様といえます。「こういう仕様だから覚えてくれ!」で押し通すというのも絶対にダメとまではいえませんが、少なくとも好ましくないのは確かです。
この問題はテュールがHPをBuffしないようにすれば解決されます。ルールの変更で対処するという選択肢もありますが、ルールを変えるよりもテュールの能力を変える方が簡単でしょう。
カードが強すぎるという問題とルールが直感的でないという問題の両方をひとつの変更で対処できるのであればこれはまさに一挙両得、一石二鳥なわけで、このように変更される可能性は高いのではないかと思っています。
2位《軍狼神 アレース》
仮にテュールがNerfされた場合、アスガルドには不利だが他の全クラスにはデッキパワーの高さで有利をつけられるという立ち位置のオリンポスもNerfする必要があるでしょう。唯一苦手な勢力が弱体化し自分達はなんら弱体化されないのであれば、これはもうオリンポスの天下になってしまいます。
オリンポスにNerfが入るのであればガーディアンパワー(後述)かアレースが有力候補となります。
変更内容としては攻撃時の味方Buff能力を削除ですかね。速攻は非常に強力な能力なので、この部分が削除されてもアレースが使われなくなるということはまずありえません。無駄に盛られている部分なので勢力バランスの調整のために削除してしまっても構わないでしょう。
3位《魔蝸牛 デーモンスネイル》《彷徨えるゴーレム》
どちらも余りに多くのデッキに入りすぎるという問題を抱えたカードです。
ゴーレムはまだ構築によっては入らないことも多いのですが、デーモンスネイルはアグロはもちろんコントロールでも相手のデーモンスネイルに対応できるカードがデーモンスネイルくらいしかないため採用する必要があり使わないデッキが存在しないレベルです。
しかし、同じく余りに多くのデッキに入りすぎるという問題を抱えたサナムが後述のようにNerfされないことが確定しているため、この2枚もNerfされる可能性は高くないのではないかと思います。
番外《離魂術師 サナム》
ありとあらゆるデッキに採用されるニュートラル最強カードです。余りに多くのデッキに入りすぎ勢力ごとの個性を薄めてしまっているのでNerfがくるならサナムは第一候補かなーと思っていたのですが…
💡予告💡【ピックアップ召喚】
— エル@[公式]デュエルエクスマキナ (@duelsx_info) 2017年6月14日
先日開催されたチャレンジカップで皆様のデッキに採用され活躍したカードをピックアップした召喚が6/16に登場!
※ピックアップカードは発表されているカード能力変更の対象にはなりません #DXM pic.twitter.com/8tJ9M3zfLK
サナム氏Nerfなし、確定! おめでとうサナムくん!!
変更されそうなガーディアンパワーランキング
公式の告知ではガーディアンパワーも能力変更がありえると書かれています。ガーディアンパワーは補填の問題が存在しないためBuff調整もありえます。
1位 地形生成ガーディアン各種
ポセイドン、オシリス、ロキ、アマノウズメ、ラファエルの5人の地形生成ガーディアンは現状まったく使われていません。Sランクの人がこれらのガーディアンを使っているところは見た覚えがありません。たまに当たったと思ったら相手のプレイング速度が以上に速くしかもプレイ内容がガバガバで、明らかにCPU…。
今後パワーレベルの高い地形利用カードが増えて使われるようになるのかもしれませんが、現状の感覚だとこんなに弱いのに何故デメリット地形の上書きには使えないように縛りが加えられているのか意味不明にしか感じられません。
変更される可能性が高いというよりも、強化してあげてほしいという願いからこれを1位とします。
2位 ハデス
好きなところに1ダメージを飛ばせるガーディアンですが、ダメージを飛ばせるのはユニットだけでガーディアンには飛ばせないよう変更される可能性はあると思っています。もしテュールがNerfされてアレースが放置されるならハデスに修正が入るでしょう。
オリンポスの強さを支えているのはカードの質よりもハデス自体の性能というところが大きく、ハデスの高い性能はオリンポスの強いカードを作りづらくする枷にもなります。
また、現状ハデスと比べてしまうとスサノオを使おうという気には全くならないというのもあるんで、ハデスは本体にダメージを飛ばせない、ガーディアンパワーで本体にダメージを飛ばしたいならスサノオを使え、というふうに差別化を図るのはアリかなと思います。
3位 イシス
イシスのdebuffによって盤面のユニットを片っ端からATK0にされてしまうとマスが埋まっているので展開も制限されつまらないという理由でイシスのガーディアンパワーではATK1までしか下げられないというふうに変えるという可能性。
正直まずありえないだろうと思いながら書いてます。
さて、以上つらつらと予想を書いてみたわけですが、実際にはどのような変更が行われるのでしょうか。もしかしたら全く予想外のものがくるかもしれません。発表の日を楽しみに待ちたいと思います。
デッキガイド ミッドレンジオリンポス
烈火の軍狼の追加から3週間ほど経ちました。最近のランクマッチではトール(アスガルド)が一番人気のようです。前回のエントリで触れたように烈火の軍狼で追加されたカードで抜けて強いカードがオリンポスとアスガルドにあったためこの2つの勢力が他の3勢力に比べ一段階以上強いわけですが、このオリンポスとアスガルドの直接対決で有利なのがアスガルドであるためアスガルドに人気が集中しているように思います。
アスガルドの中のバリエーションとしてガーディアンにトールを選んでいる人とフレイヤを選んでいる人とがいますが、上の方の人はだいたいトールですね。単純にガーディアンパワーの性能がトールのほうが優秀ですからね。
…と、いうわけで今回のエントリはミッドレンジオリンポスのデッキガイドです。話の流れ的にはどう考えてもアスガルドのデッキガイドを書くべき流れに見えますが、ぶっちゃけ私自身があんまりアスガルドを回していないという事情があるためオリンポスのデッキガイドです。
どんなデッキ?
スタッツの優秀なミッドレンジ向けユニットで盤面を作り、有利になったら速攻ユニットや直接火力を連打して押し切る攻撃的なミッドレンジデッキです。烈火の軍狼が追加されてからはアスガルドにその地位を譲ってしまったものの、烈火の軍狼追加前は支配的な強さを誇ったデュエルエクスマキナの1弾環境を代表するデッキだと言っていいでしょう。
一応デッキリストも貼っておきます。
ちなみにこれは私が自分用にチューンした構成であって典型的な構成というわけではないので注意してください。《エルフの狩人》と《ピクシーの女王 ターニア》を抜いて《ケンタウロスの軽装騎兵》と《ケラウノスの制裁》に差し替えるとだいたい典型的な構成になります。
デッキの強みと弱みは?
最大の強みとして挙げられるのはガーディアンパワーの優秀さです。カードの総枚数が少なく一部の優秀なニュートラルカードの影響の大きい1弾環境では各勢力間のカードの強さの差はそれほど大きなものではありません。そうなるとガーディアンパワーの強さの差というものが大きな差として浮かび上がってくるわけです。その点、ハデスのガーディアンパワーは明らかに全ガーディアンの中で最強です。盤面を効率的に処理でき、最後の数点の押し込みにも使える。有利なときでも不利なときでも状況を選ばず使え、カードアドバンテージを得ることもできます。特にスサノオと比べると涙が出るほどに優秀ですね。
また、相手ライフを直接狙う攻撃的なゲームプランを持つことも大きな強みです。これは中盤までに一定以上の優位を得てしまえばその後の相手のパワーカードを正面から相手する必要がないということです。また、ゲームプランが攻撃的で自分本位であるということは相手によって採用しているカードの価値が大きく変動することなく安定した戦いをできるということでもあります。
一方、最大にして致命的な弱みはアスガルドに対して相性が悪いということですね。アスガルドはランクマッチで最も数の多いデッキですから、それに対して不利ということはかなり大きな欠点と言わざるをえません。
ミッドレンジは最強の戦略である
あくまで現在の1弾環境では、というものですが、デュエルエクスマキナにおいてミッドレンジは最強の戦略です。その理由は以下の3枚のカードの存在です。
まだカードの総枚数が少なく変化球タイプの戦略がほぼ成り立たない現在、スタッツの優れたユニットを叩きつけ続けるのは最高に優れた行動になります。中でも《魔蝸牛 デーモンスネイル》《彷徨えるゴーレム》《離魂術師 サナム》の3枚はニュートラルでありながらカードプールのどのカードよりもそのマナ域でのスタッツが高く、極めて強力です。これらのカードをすべてデッキに組み込んで自然にデッキを組むとミッドレンジになりますから、ミッドレンジこそが最強の戦略なわけです。
これら3枚は適当にデッキに組み込んで残りを整えてやればどの勢力でも形になるほどに強力ですし、明確な理由がないのであれば必ずデッキに入れるべきです。
また、相手の《彷徨えるゴーレム》を損せずに対処できる《森獣の要撃》も定番の1枚となっています。《森獣の要撃》自体はあまり強いカードではないのですが、それでも非常に採用率が高いあたりに《彷徨えるゴーレム》の現環境での影響力の高さが窺えますね。
ミッドレンジオリンポスの回し方
過剰に攻撃的にならず、中盤までは盤面での優位を得ることを重視して動くのが大事です。
このゲームは盤面を制圧されると攻撃を通すことが極めて困難になります。一方で盤面を制圧してしまえばどんどん攻撃が通り勝利に近づくことができます。そのためまずは盤面を最優先に考え、ある程度盤面で優位に立ち勝利までの道筋が見えてきてからライフを攻めることを考え始めるようにするといいです。
そして盤面の優位を得るためにマナをいかに効率的に使うか、つまりテンポを重視したプレイをするようにしましょう。例えば相手の1/1を殺すためにガーディアンパワーを使うよりも手札の2/2を展開したほうがマナを効率よく盤面の優位を得るために使えていることになります。相手の盤面を処理することに意識が向きすぎてテンポの悪い行動を取ってしまうというのがありがちなミスのパターンなので気を付けましょう。
テンポの優位は盤面の優位に繋がり、盤面の優位はライフの優位に繋がる。このことを意識するようにするとぐっとプレイが良くなると思います。
ミッドレンジオリンポスはAoEを持たず不利な盤面を逆転することが難しいデッキなので、あとは直接火力だけで勝てるという状況になるまで盤面の優位を手放してしまわないように!
《彷徨えるゴーレム》はどこに出すべき?
《彷徨えるゴーレム》はなるべく後列の左右に出すべきです。
まず前列に出してしまうと次のターンに《サナム》が出しづらくなってしまうので、前列は避けたいです。そして中央に出してしまうと同じ横列にユニットを出しづらくなってしまいますが、左右に出せば反対側の左右が《ゴーレム》の影響を受けず気軽にユニットを出せる場所となるため、左右に出すべきです。
もちろん常に後列左右が正解というわけではなくお互いのユニットの配置によってどこに出すべきかは変わってきますが、《ゴーレム》を後列左右に置けるようにそれまでのターンで後列中央にユニットを出さないようにしておくというのも大事です。
《魔蝸牛 デーモンスネイル》はどこに出すべき?
これは自分でも確たる答えが出ていない問題です。
まず前列には出したくありません。前列に酸溜まりができてしまうと《サナム》を出す上で邪魔になるからです。
では後列の中央と左右のどちらに出すべきかですが、後列中央は最もユニットを出したくない場所なので酸溜まりができて最も都合のいい場所に思えます。では後列中央が正解なのか。…というと微妙で、まず《デーモンスネイル》が必ず死んでくれるとは限りません。最初に《デーモンスネイル》を後列中央に配置し、うっかり《ゴーレム》を出したいターンまで生き残ってしまうと《ゴーレム》を後列左右に出す障害となってしまいます。また、酸溜まりの上は最も《エルフの地術士》を出したい場所です。そして海洋の上はユニットを出したい場所です。後列中央は出来ればユニットを出したくない場所なので、そこがユニットを出したい場所になってしまうと不都合です。
というわけで、総合すると後列左右がベストではないかな? と思っています。
ちなみに2体目を出すなら後列中央がいいと思います。後列左右の両方が酸溜まりになってしまうと《ゴーレム》のベストプレイスがなくなってしまいますから。
また、これはミッドレンジオリンポスでの話であって、例えばこれが氷河アスガルドだったなら前列に出して酸溜まりを氷河に上書きした上で《ドワーフの戦士》に繋げたいといったふうに判断が変わります。
相手の酸溜まりの前にHP2のユニットを出さないようにしよう
相手は酸溜まりを《エルフの地術士》で上書きしたいと考えています。相手の酸溜まりと同じレーンにHP2のユニットを配置してしまうと酸溜まりを上書きした上でこちらの攻撃を受け止めることができ大変おいしい思いをさせてしまうことになります。相手の酸溜まりとレーンをずらして配置すれば相手からすると酸溜まりの上書きとこちらの攻撃のブロックのどちらかしか選べなくなってしまいますから、HP2のユニットは相手の酸溜まりと違うレーンに出すようにしましょう。
《海侵神 アンピトリテ》で攻撃する前に《エルフの地術士》を出そう
そのターンに特定のマスに《エルフの地術士》を出すことが確定しているなら《アンピトリテ》で殴る前に先に出しておくようにしましょう。《地術士》を出す予定の場所が《アンピトリテ》の能力で海洋になってしまうと損をします。
地形作成の1/1は放置するのも手
特に相手の場の地形が1つしかない場合、地形生成の1/1は有利交換が取れるからといって殺してしまわず放置するのもひとつの手です。この1/1が生き残っている限り相手はその下にある地形を活用することができません。
ちなみに同様の能力を持つ《エルフの地術士》は打点が高いので放置しづらいです(笑)
各マッチアップでの立ち回り
対オリンポス(同型戦)
決まり手は主に以下の3つです。
①序盤で差が付く
②中盤のマウントからの攻め切り
③盤面制圧・片方の息切れ
①は片方が1枚も引けていないのにもう片方だけ《デーモンスネイル》を2枚引いてブン回っていたり、あるいは片方が事故ってしまったりというパターンですね。上でも書いたようにミッドレンジオリンポスはAoEを持たず一度不利になると逆転しづらいデッキですし、また一度有利になったときにそれを活かして素早く攻め切るのが得意なデッキでもあるので、同型で序盤に差が付くとそのままゲームが決まってしまう場合が多いです。
②は序盤にお互い同じ速度で動き合い中盤戦にもつれ込んだ場合のゲーム展開です。まず片方が更地に《サナム》など打点の高いユニットを出し、もう片方がそれにユニットを合わせて対抗しようとするものの、除去で突破されてダメージを通され、そこから攻める側に回ったプレイヤーの手札から除去と速攻が途切れなく連打されることでゲームが決まります。だいたいこの展開で勝つのは先手プレイヤーです。
③は②のパターンで攻める側に回ったプレイヤーが除去と速攻を連打できなかった場合に起きる展開です。微妙にライフが削り切れず逆転を許してしまうわけですね。
この3パターンのうち体感的に最も頻度が高いのは②で、実はこのマッチはお互いが上手いプレイヤーだとただの先手ゲーなのではという気がしています。後手で殴り合うと殴れるターン数が少ない分不利なので③のパターンを目指さざるをえないものの、相手の引きがある程度以上に強いと②のパターンにされてしまいますから。
まあなんにしろこのマッチは特別な立ち回りは要求されないんで基本通りにテンポ負けしないように心がけたプレイをするだけです。
一応ひとつだけ対オリンポスならではの立ち回りを挙げると、相手の場に海洋がひとつもないときに出てきた《海侵神 アンピトリテ》はユニットを合わせるのではなく《ハルパーの追撃》で処理したほうがいいです。海洋があるかないかでかなり打点が変わってきます。
対アスガルド
不利なマッチです。こちらの序盤から軽いユニットを並べて攻めていくコンセプトに対して《バルドルの閃光》《グングニルの穿通》というAoEが突き刺さり、また積極的にライフを攻めても《療法手 シギュン》《ドワーフの炊事番》で回復されてしまいます。
対アスガルドではAoEで流されてしまう軽いユニットは価値が低いので引きすぎてしまわないことが重要です。マリガン時、2コストユニットは1枚だけ残してあとは戻してしまっていいでしょう。速度で圧倒できず太さで盤面を取ってそこから攻め切ることを目指すことになるので、《ゴーレム》はマリガンで残します。また、後手のときの《恩恵のマナ》は軽いユニットをテンポよく展開するために使わず、《ゴーレム》や《サナム》を1ターン早く出すのに使った方がいいです。
勝ちパターンは《ゴーレム》や《サナム》による中盤のマウントからの押し切りで、中盤の段階で優位を得られていないと負けます。先手だといい具合に中盤でのマウントを取りやすくてそれなりに勝てるんですが、後手だとかなり厳しいですね。
AoEのケアという点で、例えば自分の同じ縦列に2/2と4/4(ゴーレム)がいて相手の同じ縦列に2/2がいた場合、4/4で殴ったほうがユニットが2体残り良さそうに見えますが、AoEが突き刺さる盤面になってしまうので2/2で殴るのが正解です。
また、私は最初対アスガルドではこちらが攻める側に回る必要があるためすれ違いのダメージレースの形にできるならそのようにしたほうがいいと思っていましたが、それは間違いでした。
アスガルドには《百戦神 テュール》を筆頭にバフ(強化)カードが多いため、相手の場にユニットを残してしまうとそれらを活かされていいように盤面を取られてしまいます。それに、お互いの場にユニットが並んでいる状況は《グングニルの穿通》によって簡単にゲームを決定づけられてしまいます。
なので、対アスガルドでは相手の場にユニットを残さないようがっぷり組み合うゲームプランを取った方がいいです。相手のバフカードにバリューを与えないことが肝心です。《テュール》も横にユニットがいなければ普通のカードです。無理攻めしてもどうせ回復されてしまうので上手くいきませんしね。
また、細かいところでは相手の場の前列に氷河がある場合、それと同じレーンに《ゴーレム》を出すのはやめましょう。《ドワーフの戦士》を持たれているとひどいことになります。
対ルクソール
《大気神 アメン》が間に合うかどうかのゲームです。基本的にはオリンポス有利です。
ゲームがぐだってしまうと《アメン》が間に合ってしまいやすくなるので、速攻は出来るだけ盤面処理よりも顔を殴るために使いましょう。盤面を取っても《セクメトの殺戮》でリセットされてしまいます。ひたすら顔を狙いましょう。
ルクソール側からすると後手のときに《恩恵のマナ》を温存しておく余裕はなく序盤のテンポについていくために使わざるを得ないため、《アメン》が出てくるのは9ターン目です。先手が取れると《アメン》を出されるまでに9ターンかけて勝つことが許されますが、後手だと8ターンで勝たなければいけないため先手が取れると非常に嬉しいですね。
対トリニティ
トリニティ側の構成によってかなり相性が変わってくると思いますが、おおむねオリンポス有利なように感じます。
ハデスは鉄壁に弱く、以前は《ロードスの聖騎士》が厳しかったんですが、《アレース》を手に入れてだいぶ楽になりました。カードパワーは正義。
典型的な負けパターンとして《聖樹の杯》のブーストからマウントを取られてそのまま負け、というものがありますが、そのような展開でも諦めずにじっくりやっていると相手がその後マナブーストの部分を固め引いてしまって息切れし逆転勝利ということも少なくありません。トリニティはそういう事故のありえるデッキなので、対トリニティでは諦めないということが大事です。
また、1ターン目の《聖堂領の修道女》は即座にガーディアンパワーで殺すようにしましょう。自分の展開を優先すると《聖堂領の格闘教官》を出されて詰みます。
対イズモ
ぶっちゃけるとイズモがオリンポスよりも優れているところは最序盤のテンポくらいしかないので、まあブン回られなければだいたい勝てると思います。
ツクヨミもスサノオも自分が攻めてるときしかガーディアンパワーが機能しないので、こちらが攻める側に回ることができれば勝ちですし、ゲームが長引くとガーディアンパワーの性能差の影響が大きくなるのでやはり勝ちます。
序盤にテンポ差をつけられる以外にほぼ負け筋がないので、そこだけ気を付ければ大丈夫です。
烈火の軍狼追加! 新環境始まる!
気が付いたら前回の更新からまるまる1か月が空いてしまいました。色々あって思うように遊べず。
そうこうしているうちにカード拡張セット「烈火の軍狼」が追加され、ランクマッチもリセット。新環境の始まりです。
早い方は月の変わった深夜のうちにSランクに到達しているようですし、そこまで早くなくとも昨日のうちに到達した人がかなりの数いるようですが、私も遅ればせながら本日Sランクに到達しました。
主に使っていたのは「ランク上げしたいならとりあえずこれ」のミッドレンジオリンポスです。
構成の特徴としては《ケンタウロスの軽装騎兵》《テーパイの重装投槍兵》《英智神 アテナ》《ケラウノスの制裁》といったライフを攻めるためのパーツを不採用としていることですね。
この理由は至極単純で、オリンポス同型を強く意識した結果です。
オリンポス同型ではお互いが同じ速度で動き合うため、展開したユニットが相討ちを繰り返し、両者のライフがあまり減らないまま中盤以降にもつれ込むという展開になりがちです。そしてそのような展開になった場合、勝負を決めるのはどちらのほうが強い盤面を構築できるかであり、引いたカードの太さが勝敗を分けます。
そのため、相手のライフを削るのは得意なものの盤面を作るのは得意でないカードはすっぱりと切り、盤面構築重視でカードを選んでいます。
おそらく《エルフの狩人》というただの3マナ2/3バニラのチュートリアル用カードを大真面目に使っているのは私くらいしかいないのではないかと思いますが、2/2の多いオリンポスに対して2/3は頼もしい性能です。これが《ケンタウロスの軽装騎兵》だったら2/2に対して有利交換を取れないどころか1マナ分損な交換しかできません。アズガルドのAoEをギリギリ耐えられるというのも評価ポイントです。
流石にもうちょっとマシなカードはないのかと思うかもしれませんが、デメリットになりうる能力を持たないオリンポスで使える3マナ2/3は残念ながら現状これしかありません。
新環境のメタゲームは?
はっきりとオリンポスとアズガルドの2強となっています。他の勢力の存在感は極めて希薄です。
烈火の軍狼で追加されたカードの中では《軍狼神 アレース》と《百戦神 テュール》の2枚が抜けて強く、まさにその2勢力が暴れているという状況ですね。
そして今後のメタゲームの動向ですが、自分としてはこのまま2強状態が続いて動かないだろうという悲観的な見方をしています。
というのも、2強の環境は1強環境以上にメタゲームが固定化しやすいからです。1強であれば他には勝てないがトップのデッキにだけは相性がいいというデッキによってメタゲームがかき回されうる余地がありますが、2強の場合片方に強いデッキがあってももう片方に勝てないのであればそのデッキは良い選択になりません。
例えば、おそらくリリース後初期の環境で流行していたコントロールルクソールはアズガルドに対しては有利に戦えるでしょう。しかしオリンポスに対して大きく不利なため全く使いたいと思えるデッキではありません。
そしてそもそも、オリンポスに対して有利に戦えるデッキはアズガルドくらいしかないのです。
個人的にはオリンポスのなんらかのカードに対してNerfが入る可能性は高いのではないかと思っています。しかし、勢力固有カードがあまり強くなくニュートラルカードの価値が高い現状のカードプールにおいては多少のNerfを受けてもなお最強のガーディアンパワーを持つという強みだけでオリンポスはトップの地位を得られるでしょう。
オリンポスが首位陥落するとしたらそれはNerfではなくインフレによってもたらされるだろうと考えています。
デッキ紹介 一番人気? コントロールルクソール
カードゲームの新環境は、最初こそみんな思い思いの好きなデッキを使い多様性に富んだ環境となりますが、時間とともにどのデッキが強くてどのデッキがそうでないかということが知れ渡り、最終的には数少ないいくつかの強デッキばかりが溢れる多様性の少ない環境になっていく傾向があります。だんだんメタゲームが固定化されていくわけですね。
デュエルエクスマキナもリリースから数日が経ち、明確に当たることが多いなと感じるデッキが出てきました。コントロールルクソールです。ちゃんと数えたわけではないですが、体感的には3~4回に1回くらいはエジプトのおばちゃんの顔を見てる気がします。
どんなデッキ?
相手のユニットを除去やデバフで無力化し、耐えて耐えて耐え続けて勝とうとするデッキです。
《セクメトの殺戮》《ホルスの栄光》そして更に《大気神 アメン》とAoE(Area of Effectの略。範囲効果。カードゲームではほぼ全体除去のことを指す)が豊富にあり、充分に長引いたゲームでは相手の繰り出す脅威に対しリセットを繰り返すことが可能です。コントロールルクソール相手にユニットを生き残らせることは容易ではありません。
自分で使ってみて調整を加えたものになりますが、デッキリストは以下。
コントロールルクソール - DUELS X MACHINA Now
あくまでこれはスタンダードなタイプのもので、《ソベクの怒り》を用いる砂漠型、《ホルスの封臓》を用いるバーン型などの亜種も見かけます。
使い方
適当に死なないように相手ユニットを捌いていたらそのうち勝ちます。頑張って勝ちに行くのは相手を捌き切ってからでいいんで、それまではとにかく守ること、ライフを高水準で維持することに注力しましょう。
軽いユニットカードが入っていますが、このデッキでのこれらの役割は相手ユニットの前に出して壁にすることです。序盤中盤に相手ライフを削ることにはあまり意味がないので、適当にユニットを出してそのレーンを避けられるとせっかくのユニットが機能しない事態に陥ってしまいます。盤面が更地ならあえてユニットを展開せずパスするというプレイをすべきことも多いです。
また、特に中盤以降はマナ効率はあまり重視しなくて構いません。マナ効率よりも、次に相手が何をしてきても手札に解答が残っている状況が継続することを重視してください。無理にマナを使い切ろうとする必要は全くありません。
マリガンでは、アグロデッキのように軽いカードが初手に来るようにするのではなく、重いカードであってもキーとなるカードは初手に残します。具体的には《セクメトの殺戮》は多くのマッチで6ターン目にプレイできるか否かで勝敗が左右されるためほぼ残します。相手がアグロの場合は《レシェフの疫病》も残しますね。
特殊なゲームになる同型戦
…と、ここまで書いてきた内容は同型戦以外を想定してのものです。コントロールルクソール同士の対決は非常に特殊なものとなり、他のマッチアップとは異なる立ち回りが要求されます。
まず前提として、特にチュートリアルでは説明されていませんが以下のルールがあることを覚えてください。
- 手札の上限は8枚。9枚目のカードを引こうとする場合、それは手札に入らず破棄される。
- デッキが空になった場合、その後1枚目(31枚目)のカードを引こうとすると1ダメージを受ける。2枚目は2点、3枚目は3点とそのダメージはだんだん増えていく(このダメージはFatigueダメージと呼ばれている)。
なぜこれらのルールを覚えておく必要があるのか。それはコントロールルクソールの同型戦が必ずデッキ切れに至りFatigueダメージで決着するからです。
コントロールルクソールはユニットが少なく除去の多いデッキです。デッキ内の脅威の枚数よりも対処札の枚数のほうが多い。そのため、同型戦ではお互いのデッキ内の攻め手がすべて処理され尽くしてしまうのです。そうなるともうFatigueによってしか決着しません。
これはそういうゲーム展開もあるという話ではなく、必ずそうなります。デッキのすべてを使って戦うため、引きによるブレも起きえません。
ですので、コントロールルクソール同型ではマッチアップが決定した瞬間から27ターン後のFatigueを意識して動くことを心がけてください。具体的には、決してドローカードを使ってしまわないこと、ライフを大事にすることの2点に気を付けましょう。
ドローカードは使ってしまうとデッキが1枚減りその分Fatigueに近づきます。相手よりも先にFatigueに入ってしまうとほぼ負けです。《メンネフェルの踊り子》はデッキからスペルがなくなるまで決して場に出してはいけません。
お互いにFatigueに入ったゲームは純粋なダメージレースとなります。そのためライフは極めて重要です。もしも相手ライフが15以下で自分のライフが16以上なら自分から先にFatigueに入ってしまったとしても先に死ぬのは相手です。《大気神 アメン》は出したところで一瞬で除去されるかATK0にされるかなんで、極力ライフ回復が活きる場面以外では出したくありません。裏返すと相手のアメンが活きる盤面はなるべく作らないように心がけたいところです。
また、手札上限にも気を付けましょう。うっかりドローが燃えてそれが重要なカードだった場合敗着になりえます。《レシェフの疫病》なんかは大事に持っていても役立つ機会はおよそやってこないのでとっとと空撃ちして手札を減らすようにしましょう。
カードの取捨選択
上に貼ったリストに至るカードの取捨選択の解説です。
ドローカードの問題は同型戦でプレイできないこと、そしてプレイできないがゆえに手札を圧迫することです。仮にデッキにドローカードを8枚採用した場合、最終的に手札にドローカードが8枚溜まり新たなカードを引くことができなくなってしまいます。あるいはその状況から抜け出すためにドローカードを消費せざるをえなくなり、自らデッキを減らすという自殺行為に及ぶことになってしまいます。
しかし逆にドローカードを減らしすぎると、今度は必要な状況で必要なカードが手札にないという事態が起こりやすくなり、その安定性の低下のために同型戦以外での勝率が下がります。
ですので、デッキに入れるドローカードは4枚がベストかなと思っています。
自分の調整では、ATKが2あり相手ユニットとのトレードをしやすい《エルフの獣使い》と、《セクメトの殺戮》などキーカードを手に入れられる確率の高い《メンネフェルの踊り子》の2種類を採用しています。
ちなみに《ギーザの魔装兵》《聖鳥 シームルグ》は不採用となった《大蜘蛛 アナンシ》《副葬人形 ウシャブティ》の分のマナカーブを埋めるために採用しています。
《ファラオマスクの呪い》はマストで2枚必要です。その理由は同型戦で勝つため。
同型戦は必ずFatigueによるダメージレースとなりますが、そのときに最も役立つカードが1枚で都合10点分のライフ差をつけることができる《ファラオマスクの呪い》です。同型戦で一方だけが《ファラオマスクの呪い》を採用しておりもう一方が採用していなかった場合、勝つのは採用している側です。同様に一方が《ファラオマスクの呪い》を2枚採用しておりもう一方が1枚しか採用していなかった場合、勝つのは2枚採用している側です。
コントロールルクソールの同型戦は非常に遅いゲームになりデッキをすべて使って戦うことになるため引きの良さによってはほぼ差が付きません。プレイによる差もお互いが同型戦の立ち回りを理解しているのならばほぼありません。デッキ構成の差が勝敗に直結しごまかしが効かないため、甘えずにキーカードを2枚採用しておく必要があります。
《彷徨えるゴーレム》は試してみたものの結局不採用としました。確かにほとんどユニットを出さないこのデッキではデメリットは非常に小さいものなのですが、デメリットを無視しても所詮4マナ4/4バニラ止まり。単体でフィニッシャーになるわけでもないですし、壁としてもイズモ相手にレーンをずらされたりバウンスされたりとそう信頼に足るものではなく、このデッキに必要な性能ではありませんでした。
同様に《離魂術師 サナム》もハイスペックなものの単体でフィニッシャーになるわけではなくあまりデッキに合っていないという理由で不採用となっています。
《冥獣 アメミット》はHPが高くATK0にされても機能する上に出したターンに即座にライフに影響できることから同型戦で強いカードなのですが、同型戦以外ではほとんどバニラに等しく弱いため不採用です。同型戦でも劇的に強いというほどでもありませんし。
デッキの強み・弱み
強みはなんといっても圧倒的なカードパワー、中盤以降の盤面掌握能力です。真正面からぶつかってくるような相手に対しては相手のデッキ内の攻め手をすべて捌き切って勝つことすら可能なレベルでボードコントロールをすることができます。ロングゲームの王者と言っていいデッキでしょう。
逆に弱みは序盤ですね。デッキ全体のマナカーブが後ろに寄っていて序盤はマグロになりやすく、対アグロでは《セクメトの殺戮》を撃つまでにライフが一桁まで削られることが多いです。
また、自分から盤面を構築するということをせず、相手の出したカードを自分のターンで対処という動きを繰り返すデッキなので、速攻を持つユニットには無防備です。
そのため、全力でライフを削りに来るようなアグロに寄ったデッキには不利が付きます。
相手がアテナやハデスだと不利、というよりはオリンポス相手でも相手の構成がミッドレンジに寄っているならむしろ有利、アグロに寄っているなら不利、という感じですね。イズモ相手の場合はガーディアンがツクヨミだったら気持ちが楽ですが、スサノオの場合は死を覚悟します。
また、勝敗とはまた別の欠点として1ゲームにかかる時間が長いということも挙げられます。ゲームの回転効率が悪いんで、サクサクランクを上げたいときには不向きです。
生成コストが高く構築のハードルが高いというのも欠点ですね。パーツの代用が効かないため安いカードで妥協するということができず、組むためには課金するか他勢力の重要なカードを分解するかしなければなりません。
そしてメタは回る
インターネット上に書かれた意見を見てみると「ルクソールが強すぎる」という不満の声もちらほら見られますが、今はまだリリースから1週間にも満たないメタが回り始めるスタート地点に過ぎません。今後においてもルクソールが活躍し続け一強の地位を築きなんらかのカードがNerfされるに至る可能性もありますし、対策されてあっさりと流行が終わる可能性もあります。現状だと今後のメタゲームがどうなるかは予測しづらいです。コントロール→アグロ→ミッドレンジ→コントロールとメタゲームが循環するといいなというのが希望ですね。
配置のイロハ
デュエルエクスマキナの最大の特徴といえばなんといってもマス目のあるフィールドであり、そしてどのマスにユニットを出すべきかという配置要素。他のカードゲームタイトルではなかなか見かけない独特の要素です。それだけに、「どこにユニットを出せばいいのかわからない!」という方も多いのではないでしょうか。
どこに配置するのか、というのはまさにこのゲームの勝敗に関わる極めて重要な選択です。配置を制する者はデュエルエクスマキナを制する。そう言ってしまっても決して過言ではないでしょう。
というわけで、今回は配置における基本的な考え方について解説します。
6マスのフィールドについてこう考えてみよう
デュエルエクスマキナのフィールドには6つのマスがあります。ですので、ユニットを場に出す場合6つの選択肢があるわけです。6択…多すぎるとまでは言わないものの、ちょっと厄介な選択肢の多さです。
そこで、「フィールドには6つのマスがある」と考えるのではなく、「3つのレーンがあり、それぞれのレーンには前後がある」というふうに考えるようにしてみましょう。
デュエルエクスマキナではユニットの攻撃は同じレーン(縦列)のものにしかすることができず、またなんらかのカードやガーディアンパワーの効果によってしかユニットが他のレーンに移動することはありません。ですので、各レーンはおおむね独立したものとみなすことができます。
このように考えてみると、どこに配置すべきかという判断において、「6マスのうちのどこに出そうか」という考え方ではなく、「どのレーンに出そうか」「前後どちらに出そうか」という判断を分割した考え方を取れるようになります。
判断を行う回数は増えてしまいますが、それぞれの選択肢が3つと2つという扱いやすい数になり、6択から選ぼうと考えるよりも遥かにスッキリとした思考をすることができます。
配置の基本は「どのように戦闘したいか」
HearthstoneやShadowverseでは戦闘をどのように行うかは攻撃を行うプレイヤーがどこを殴るか選択することによって決定されます。一方デュエルエクスマキナの場合、攻撃を行うプレイヤーにどこを殴るかの選択肢はありません。では戦闘がどのように行われるのかを決定づけるものは何か、といえばこれはまさに配置です。配置の選択とはつまりどのように戦闘するかの選択なのです。
戦闘には有利な戦闘と不利な戦闘があります。
例えば2/2の《殺人蜂 キラービー》と2/3の《エルフの狩人》の間で戦闘が行われたとしましょう。このとき、《キラービー》は破壊されてしまうのに対し《エルフの狩人》は2ダメージ受けて2/1となってしまうものの一方的に場に残ります。
つまりこの場合、《キラービー》側にとって不利な戦闘が、《エルフの狩人》側にとっては有利な戦闘が行われたということが言えます。
言うまでもなく、不利な戦闘を避けて有利な戦闘が行われるように意識することが重要です。
ですので、相手の場に2/2がいる状況で2/3を出す場合は相手の2/2と同じレーンに2/3を配置して有利な戦闘が行える状況を作るべきですし、逆に相手の場に2/3がいる状況で2/2を出すならば相手の2/3とは違うレーンに出して不利な戦闘を避けるべきです。
しかしデュエルエクスマキナの戦闘ルールは基本的に「後出し有利」です。自分が先に2/2を出して、それに2/3を合わせられたら諦めて不利な戦闘を受け入れるしかないのでしょうか。
もちろんそんなことはありません。後出しには更に後出しをすることで対抗することができます。
つまり、こちらの2/2に2/3を合わせられたなら、2/2の前に3/3を出してしまえば不利な戦闘を避け有利な戦闘を行うことができるのです。
このとき、もしも2/2を前列に出してしまっていたならこのようなプレイができないということに注意してください。
戦闘で負けやすいスタッツの低いユニットは後列に配置し、それと有利な戦闘ができるユニットを相手が被せてきたなら更にそれに対抗できるユニットを前列に配置し被せ返す。これがデュエルエクスマキナにおける基本的な立ち回りとなります。
ここまで「ユニットが場にいたら」という話をしてきましたが、ユニットがいなくても地形があった場合はこれも判断材料となります。
お互いの場にユニットはなし。相手の場に氷河が1マスある。さてこの状況でユニット(2/2や3/3くらいのスタッツ)を出すならどこに出すべきでしょうか。
答えは「氷河のあるレーンを避けて別のレーンに出す」です。
相手としては氷河にいると強化されるユニットを氷河の上に出したいはずです。もしも氷河と同じレーンにユニットを出してしまった場合、相手は氷河の恩恵を受けつつ有利な戦闘を行える「ダブルで美味しい」状況を作ることができます。しかし、氷河のないレーンにユニットを出したなら、相手は氷河の恩恵を取るか有利戦闘を取るかどちらかしか選べないのです。
自分のデッキに入っているカードを意識して配置しよう
相手との関係だけでなく、自分のデッキの中での都合というものも大事です。
前列のユニットをバフするカードがデッキに入っているなら、先にユニットを前列に出しておかないとこのようなカードを引いたときに活躍させることができません。
デッキに《彷徨えるゴーレム》が入っているなら、中央のレーンにユニットを出すのは控え、なるべく左右のレーンにユニットを配置するように意識すべきでしょう。中央のレーンにユニットを出してしまうと、後から《彷徨えるゴーレム》を引いたときに同じ横列に《彷徨えるゴーレム》を出しづらくなってしまいます。左右どちらかのレーンにユニットを出しておけば、同じ横列でも逆サイドのマスならば気兼ねなく《彷徨えるゴーレム》を出せます。
場を開けておくというのも大事ですね。
《離魂術師 サナム》は前列を2マス、《水晶術師 ジアー》は後列すべてを開けておかないと真価を発揮できません。
同様に《コリントスの軍犬訓練士》のようなカードがあるときも「場に2マスの空きがあるけど前後1マスずつだから出せない…」というふうにならないように気を付ける必要があります。
相手の使いうるカードをケアしよう
配置の仕方次第では相手の使うカードがクリティカルヒットしてしまい敗着となる場合があります。相手の使ってくる可能性のあるカードを把握しておき、ケアしてなるべく被害が出ないようにしましょう。
対オリンポス
下手に縦にユニットを並べると《ゼウスの降雷》が突き刺さる場合があります。なるべくユニットは横に並べるようにしましょう。
《カドモスの竜牙》もそこそこ採用率の高いカードです。横にHP1のユニットが並んでしまわないように気を付けましょう。
あまり採用率は高くないですが《アルテミスの矢雨》《大海神 ポセイドン》と前列すべてにダメージを与えるカードも存在します。なるべくユニットは後列に配置し、前列に並べてしまわないようにしましょう。
対ルクソール
対ルクソールではとにかく前列にユニットを出さないように気を付けましょう。特に序盤に前列にユニットを出し、《ギーザのスコーピオン》+《ハピの捧物》のコンボを決められてしまうと勝敗に直結するレベルのアドバンテージを取られてしまいます。しかしこれは後列からユニットを出すようにするだけで簡単にケアできます。
《レシェフの瘴霧》《セトの流砂》は今のところ使われているのを見かけたことがないのであまり気にしなくていいと思います。
対アスガルド
アスガルドには配置を咎めるようなカードは《グレイブニルの束縛》くらいしかなく、《グレイブニルの束縛》もあまり採用率の高いカードではないので、対アスガルドではそれほど配置に気を使う必要はありません。
対イズモ
イズモは横並びを咎めるカードはありませんが縦並びを咎めるカードはこの2種類があり、そしてどちらも採用率が高いです。ですので、対イズモでは下手に縦にユニットを並べずに横にユニットを並べるように心がけましょう。
また、出来れば対イズモでは同じ横列を3マスすべて埋めるようにするといいです。そうすると相手の「ユニットを横に移動させる」というスキルが機能しなくなります。
対トリニティ
トリニティは前列のユニットにダメージを与えるカードが複数あり、その中でも特に《火竜 ウェルシュドラゴン》は採用率が高くだいたい入ってるものと考えて構いません。ですので、対トリニティではなるべく前列にユニットを出さないということを意識して配置しましょう。
一応縦並びを咎めるカードとして《サリエルの光槍》がありますが使われているところを見たことがないので存在を心に留めておく程度でいいと思います。
まとめ
「各勢力ごとなんて覚えられないよ!」という方はこのように覚えてください。
現在のカードプールには「前列にダメージを与えるカード」「縦一列にダメージを与えるカード」は存在するものの、「後列にダメージを与えるカード」は存在しません。
ですので、後列は前列に比べ安全な場所で、後列にユニットを並べてもほとんどリスクはありません。
そのため、「なるべくユニットは後列に出す」「縦に並べず横に並べる」の2点を意識しておけばだいたいの場合はOKです。
35連勝で無敗のままSランク到達! メインで使用したオリンポスデッキの紹介
昨日は遂にデュエルエクスマキナの本リリースでした。
早速ランクマッチを回し、なんとか昨日のうちにSランクに到達。成績は35勝0敗と土つかずのベストな成績でSランクに到達することができました。
そこで! Sランク到達までに主に使用したオリンポスデッキの紹介をします。デイリーミッションのために4戦ほど別のデッキを使っていたのですが、それを差し引いても31勝0敗のデッキです。
トークンオリンポス - DUELS X MACHINA Now
どんなデッキ?
アグロをベースに長期戦にも対応しやすいようにコストの高いパワーカードも盛り込んだ攻撃的ミッドレンジです。
序盤からテンポよく展開し、相手の立ち上がりが遅いようであればそのまま押し切り、逆に序盤に有利に展開できなかった場合は耐えてパワーカードを叩きつけることを目指す、という具合に相手や展開に合わせて柔軟にプランを選びながら戦います。
序盤の高い展開力と汎用性の高いガーディアンパワーの組み合わせにより盤面の優位を得るのが得意なのが特長。
マナカーブ通りにユニットを展開していくだけのデッキなので癖が少なく扱いやすい一方、戦闘やガーディアンパワーの使い方の選択肢を適切に選ぶことが重要でゲームの基礎力が試されるデッキでもあります。
なぜこのデッキを選んだか
ひとつは上でも書いたように扱いやすいため。そしてもうひとつは攻撃的なデッキなので1試合にあまり長い時間をかける必要がないため。
この2点からランクを効率的に上げるための「業務用デッキ」として優れていると判断しました。
個別カード解説
1マナATK2のユニットが3種類。アグロに寄せきったデッキではなく、1マナ域にはより上のマナ域のカードとの交換をしてテンポを得る仕事を期待しているため、より上のマナ域との交換が見込めないATKが2に満たないユニットは不採用となっています。
《魔蝸牛 デーモンスネイル》はHPの低いユニットの多いこのデッキでは一見使いにくそうに見えますが、デーモンスネイル自身が破壊されるまではノーデメリットであり、破壊されても酸溜まりにユニットを配置しないように気を付ければあまりデメリットが気にならないため、意外にデメリットが少なく1マナ2/2という高スタッツのメリットのほうが大きいと判断し採用しています。
地形を活かすカードは《アテナイの海兵》《海馬 ヒッポキャンパス》の2種類しかなくタッチ程度の扱いなのですが、この2枚はスタッツが標準スペックを満たしており手堅い2マナ域として扱うことができます。特に《エルフの地術士》は《魔蝸牛 デーモンスネイル》のデメリットを帳消しにするという重要な役割があります。
デッキの中心といえるカードです。トークンを並べるカードが多く入っているこのデッキでは数ターン生き残ると馬鹿にならない点数のダメージが相手に入ります。
特に対アスガルドや対トリニティでは終盤に盤面を制圧され攻撃によって相手ガーディアンにダメージが与えられないという状況になることがたびたびあるのですが、そのような状況でも《サテュロスの短弓兵》の能力とガーディアンパワーによって直接相手ライフを削りきって勝利することができます。
出す場合はなるべく後列に置いて生き残りやすくするようにしましょう。
《ピクシーの女王 ターニア》はレジェンダリーで入手が難しいのですが、《短弓兵》がいる場で《ターニア》を叩きつけて相手ガーディアンに3点のダメージを与えつつ盤面を有利にするというのがこのデッキの勝ちパターンのひとつなので極力妥協せずに2枚採用したいところです。
直接ダメージカード、速攻ユニット、そしてハデスのガーディアンパワーは攻め切れる状況なら本体に、盤面を処理する必要があるならユニットに、という具合に状況に合わせてプランを選ぶ上で非常に重要で、攻撃的ミッドレンジというコンセプトを支えるものです。
軽いカードが多く手札が枯れやすいこのデッキでは手札の消費を抑えるこのカードは中盤のつなぎとして有用です。完全にアグロに寄せ切ったデッキではより相手ライフを削るのに役立つカードを採用するべきなのですが、ミッドレンジであるこのデッキでは《エルフの獣使い》がいい働きをしてくれます。
実はこのデッキの中で最も不要なカードです。このカードがプレイできるようになる頃には既に勝ってしまっていることが多く、8コストという重さが手札で邪魔に感じることも多いです。
とはいえこのカードでしか勝てないような状況も多くあり、メインコンセプトからやや外れているからこそ無理矢理勝利をもぎ取る役に立つため採用しています。
しかしまあ、持っていないなら無理に入れる必要のない枠です。
今回デッキに採用していませんが、その理由は「持っていないから」というだけのものです。トークン生成カードでありコンセプトと噛み合っていますし、単純にスペックの高いパワーカードなので持っているなら採用したほうがいいでしょう。