デッキガイド ミッドレンジオリンポス
烈火の軍狼の追加から3週間ほど経ちました。最近のランクマッチではトール(アスガルド)が一番人気のようです。前回のエントリで触れたように烈火の軍狼で追加されたカードで抜けて強いカードがオリンポスとアスガルドにあったためこの2つの勢力が他の3勢力に比べ一段階以上強いわけですが、このオリンポスとアスガルドの直接対決で有利なのがアスガルドであるためアスガルドに人気が集中しているように思います。
アスガルドの中のバリエーションとしてガーディアンにトールを選んでいる人とフレイヤを選んでいる人とがいますが、上の方の人はだいたいトールですね。単純にガーディアンパワーの性能がトールのほうが優秀ですからね。
…と、いうわけで今回のエントリはミッドレンジオリンポスのデッキガイドです。話の流れ的にはどう考えてもアスガルドのデッキガイドを書くべき流れに見えますが、ぶっちゃけ私自身があんまりアスガルドを回していないという事情があるためオリンポスのデッキガイドです。
どんなデッキ?
スタッツの優秀なミッドレンジ向けユニットで盤面を作り、有利になったら速攻ユニットや直接火力を連打して押し切る攻撃的なミッドレンジデッキです。烈火の軍狼が追加されてからはアスガルドにその地位を譲ってしまったものの、烈火の軍狼追加前は支配的な強さを誇ったデュエルエクスマキナの1弾環境を代表するデッキだと言っていいでしょう。
一応デッキリストも貼っておきます。
ちなみにこれは私が自分用にチューンした構成であって典型的な構成というわけではないので注意してください。《エルフの狩人》と《ピクシーの女王 ターニア》を抜いて《ケンタウロスの軽装騎兵》と《ケラウノスの制裁》に差し替えるとだいたい典型的な構成になります。
デッキの強みと弱みは?
最大の強みとして挙げられるのはガーディアンパワーの優秀さです。カードの総枚数が少なく一部の優秀なニュートラルカードの影響の大きい1弾環境では各勢力間のカードの強さの差はそれほど大きなものではありません。そうなるとガーディアンパワーの強さの差というものが大きな差として浮かび上がってくるわけです。その点、ハデスのガーディアンパワーは明らかに全ガーディアンの中で最強です。盤面を効率的に処理でき、最後の数点の押し込みにも使える。有利なときでも不利なときでも状況を選ばず使え、カードアドバンテージを得ることもできます。特にスサノオと比べると涙が出るほどに優秀ですね。
また、相手ライフを直接狙う攻撃的なゲームプランを持つことも大きな強みです。これは中盤までに一定以上の優位を得てしまえばその後の相手のパワーカードを正面から相手する必要がないということです。また、ゲームプランが攻撃的で自分本位であるということは相手によって採用しているカードの価値が大きく変動することなく安定した戦いをできるということでもあります。
一方、最大にして致命的な弱みはアスガルドに対して相性が悪いということですね。アスガルドはランクマッチで最も数の多いデッキですから、それに対して不利ということはかなり大きな欠点と言わざるをえません。
ミッドレンジは最強の戦略である
あくまで現在の1弾環境では、というものですが、デュエルエクスマキナにおいてミッドレンジは最強の戦略です。その理由は以下の3枚のカードの存在です。
まだカードの総枚数が少なく変化球タイプの戦略がほぼ成り立たない現在、スタッツの優れたユニットを叩きつけ続けるのは最高に優れた行動になります。中でも《魔蝸牛 デーモンスネイル》《彷徨えるゴーレム》《離魂術師 サナム》の3枚はニュートラルでありながらカードプールのどのカードよりもそのマナ域でのスタッツが高く、極めて強力です。これらのカードをすべてデッキに組み込んで自然にデッキを組むとミッドレンジになりますから、ミッドレンジこそが最強の戦略なわけです。
これら3枚は適当にデッキに組み込んで残りを整えてやればどの勢力でも形になるほどに強力ですし、明確な理由がないのであれば必ずデッキに入れるべきです。
また、相手の《彷徨えるゴーレム》を損せずに対処できる《森獣の要撃》も定番の1枚となっています。《森獣の要撃》自体はあまり強いカードではないのですが、それでも非常に採用率が高いあたりに《彷徨えるゴーレム》の現環境での影響力の高さが窺えますね。
ミッドレンジオリンポスの回し方
過剰に攻撃的にならず、中盤までは盤面での優位を得ることを重視して動くのが大事です。
このゲームは盤面を制圧されると攻撃を通すことが極めて困難になります。一方で盤面を制圧してしまえばどんどん攻撃が通り勝利に近づくことができます。そのためまずは盤面を最優先に考え、ある程度盤面で優位に立ち勝利までの道筋が見えてきてからライフを攻めることを考え始めるようにするといいです。
そして盤面の優位を得るためにマナをいかに効率的に使うか、つまりテンポを重視したプレイをするようにしましょう。例えば相手の1/1を殺すためにガーディアンパワーを使うよりも手札の2/2を展開したほうがマナを効率よく盤面の優位を得るために使えていることになります。相手の盤面を処理することに意識が向きすぎてテンポの悪い行動を取ってしまうというのがありがちなミスのパターンなので気を付けましょう。
テンポの優位は盤面の優位に繋がり、盤面の優位はライフの優位に繋がる。このことを意識するようにするとぐっとプレイが良くなると思います。
ミッドレンジオリンポスはAoEを持たず不利な盤面を逆転することが難しいデッキなので、あとは直接火力だけで勝てるという状況になるまで盤面の優位を手放してしまわないように!
《彷徨えるゴーレム》はどこに出すべき?
《彷徨えるゴーレム》はなるべく後列の左右に出すべきです。
まず前列に出してしまうと次のターンに《サナム》が出しづらくなってしまうので、前列は避けたいです。そして中央に出してしまうと同じ横列にユニットを出しづらくなってしまいますが、左右に出せば反対側の左右が《ゴーレム》の影響を受けず気軽にユニットを出せる場所となるため、左右に出すべきです。
もちろん常に後列左右が正解というわけではなくお互いのユニットの配置によってどこに出すべきかは変わってきますが、《ゴーレム》を後列左右に置けるようにそれまでのターンで後列中央にユニットを出さないようにしておくというのも大事です。
《魔蝸牛 デーモンスネイル》はどこに出すべき?
これは自分でも確たる答えが出ていない問題です。
まず前列には出したくありません。前列に酸溜まりができてしまうと《サナム》を出す上で邪魔になるからです。
では後列の中央と左右のどちらに出すべきかですが、後列中央は最もユニットを出したくない場所なので酸溜まりができて最も都合のいい場所に思えます。では後列中央が正解なのか。…というと微妙で、まず《デーモンスネイル》が必ず死んでくれるとは限りません。最初に《デーモンスネイル》を後列中央に配置し、うっかり《ゴーレム》を出したいターンまで生き残ってしまうと《ゴーレム》を後列左右に出す障害となってしまいます。また、酸溜まりの上は最も《エルフの地術士》を出したい場所です。そして海洋の上はユニットを出したい場所です。後列中央は出来ればユニットを出したくない場所なので、そこがユニットを出したい場所になってしまうと不都合です。
というわけで、総合すると後列左右がベストではないかな? と思っています。
ちなみに2体目を出すなら後列中央がいいと思います。後列左右の両方が酸溜まりになってしまうと《ゴーレム》のベストプレイスがなくなってしまいますから。
また、これはミッドレンジオリンポスでの話であって、例えばこれが氷河アスガルドだったなら前列に出して酸溜まりを氷河に上書きした上で《ドワーフの戦士》に繋げたいといったふうに判断が変わります。
相手の酸溜まりの前にHP2のユニットを出さないようにしよう
相手は酸溜まりを《エルフの地術士》で上書きしたいと考えています。相手の酸溜まりと同じレーンにHP2のユニットを配置してしまうと酸溜まりを上書きした上でこちらの攻撃を受け止めることができ大変おいしい思いをさせてしまうことになります。相手の酸溜まりとレーンをずらして配置すれば相手からすると酸溜まりの上書きとこちらの攻撃のブロックのどちらかしか選べなくなってしまいますから、HP2のユニットは相手の酸溜まりと違うレーンに出すようにしましょう。
《海侵神 アンピトリテ》で攻撃する前に《エルフの地術士》を出そう
そのターンに特定のマスに《エルフの地術士》を出すことが確定しているなら《アンピトリテ》で殴る前に先に出しておくようにしましょう。《地術士》を出す予定の場所が《アンピトリテ》の能力で海洋になってしまうと損をします。
地形作成の1/1は放置するのも手
特に相手の場の地形が1つしかない場合、地形生成の1/1は有利交換が取れるからといって殺してしまわず放置するのもひとつの手です。この1/1が生き残っている限り相手はその下にある地形を活用することができません。
ちなみに同様の能力を持つ《エルフの地術士》は打点が高いので放置しづらいです(笑)
各マッチアップでの立ち回り
対オリンポス(同型戦)
決まり手は主に以下の3つです。
①序盤で差が付く
②中盤のマウントからの攻め切り
③盤面制圧・片方の息切れ
①は片方が1枚も引けていないのにもう片方だけ《デーモンスネイル》を2枚引いてブン回っていたり、あるいは片方が事故ってしまったりというパターンですね。上でも書いたようにミッドレンジオリンポスはAoEを持たず一度不利になると逆転しづらいデッキですし、また一度有利になったときにそれを活かして素早く攻め切るのが得意なデッキでもあるので、同型で序盤に差が付くとそのままゲームが決まってしまう場合が多いです。
②は序盤にお互い同じ速度で動き合い中盤戦にもつれ込んだ場合のゲーム展開です。まず片方が更地に《サナム》など打点の高いユニットを出し、もう片方がそれにユニットを合わせて対抗しようとするものの、除去で突破されてダメージを通され、そこから攻める側に回ったプレイヤーの手札から除去と速攻が途切れなく連打されることでゲームが決まります。だいたいこの展開で勝つのは先手プレイヤーです。
③は②のパターンで攻める側に回ったプレイヤーが除去と速攻を連打できなかった場合に起きる展開です。微妙にライフが削り切れず逆転を許してしまうわけですね。
この3パターンのうち体感的に最も頻度が高いのは②で、実はこのマッチはお互いが上手いプレイヤーだとただの先手ゲーなのではという気がしています。後手で殴り合うと殴れるターン数が少ない分不利なので③のパターンを目指さざるをえないものの、相手の引きがある程度以上に強いと②のパターンにされてしまいますから。
まあなんにしろこのマッチは特別な立ち回りは要求されないんで基本通りにテンポ負けしないように心がけたプレイをするだけです。
一応ひとつだけ対オリンポスならではの立ち回りを挙げると、相手の場に海洋がひとつもないときに出てきた《海侵神 アンピトリテ》はユニットを合わせるのではなく《ハルパーの追撃》で処理したほうがいいです。海洋があるかないかでかなり打点が変わってきます。
対アスガルド
不利なマッチです。こちらの序盤から軽いユニットを並べて攻めていくコンセプトに対して《バルドルの閃光》《グングニルの穿通》というAoEが突き刺さり、また積極的にライフを攻めても《療法手 シギュン》《ドワーフの炊事番》で回復されてしまいます。
対アスガルドではAoEで流されてしまう軽いユニットは価値が低いので引きすぎてしまわないことが重要です。マリガン時、2コストユニットは1枚だけ残してあとは戻してしまっていいでしょう。速度で圧倒できず太さで盤面を取ってそこから攻め切ることを目指すことになるので、《ゴーレム》はマリガンで残します。また、後手のときの《恩恵のマナ》は軽いユニットをテンポよく展開するために使わず、《ゴーレム》や《サナム》を1ターン早く出すのに使った方がいいです。
勝ちパターンは《ゴーレム》や《サナム》による中盤のマウントからの押し切りで、中盤の段階で優位を得られていないと負けます。先手だといい具合に中盤でのマウントを取りやすくてそれなりに勝てるんですが、後手だとかなり厳しいですね。
AoEのケアという点で、例えば自分の同じ縦列に2/2と4/4(ゴーレム)がいて相手の同じ縦列に2/2がいた場合、4/4で殴ったほうがユニットが2体残り良さそうに見えますが、AoEが突き刺さる盤面になってしまうので2/2で殴るのが正解です。
また、私は最初対アスガルドではこちらが攻める側に回る必要があるためすれ違いのダメージレースの形にできるならそのようにしたほうがいいと思っていましたが、それは間違いでした。
アスガルドには《百戦神 テュール》を筆頭にバフ(強化)カードが多いため、相手の場にユニットを残してしまうとそれらを活かされていいように盤面を取られてしまいます。それに、お互いの場にユニットが並んでいる状況は《グングニルの穿通》によって簡単にゲームを決定づけられてしまいます。
なので、対アスガルドでは相手の場にユニットを残さないようがっぷり組み合うゲームプランを取った方がいいです。相手のバフカードにバリューを与えないことが肝心です。《テュール》も横にユニットがいなければ普通のカードです。無理攻めしてもどうせ回復されてしまうので上手くいきませんしね。
また、細かいところでは相手の場の前列に氷河がある場合、それと同じレーンに《ゴーレム》を出すのはやめましょう。《ドワーフの戦士》を持たれているとひどいことになります。
対ルクソール
《大気神 アメン》が間に合うかどうかのゲームです。基本的にはオリンポス有利です。
ゲームがぐだってしまうと《アメン》が間に合ってしまいやすくなるので、速攻は出来るだけ盤面処理よりも顔を殴るために使いましょう。盤面を取っても《セクメトの殺戮》でリセットされてしまいます。ひたすら顔を狙いましょう。
ルクソール側からすると後手のときに《恩恵のマナ》を温存しておく余裕はなく序盤のテンポについていくために使わざるを得ないため、《アメン》が出てくるのは9ターン目です。先手が取れると《アメン》を出されるまでに9ターンかけて勝つことが許されますが、後手だと8ターンで勝たなければいけないため先手が取れると非常に嬉しいですね。
対トリニティ
トリニティ側の構成によってかなり相性が変わってくると思いますが、おおむねオリンポス有利なように感じます。
ハデスは鉄壁に弱く、以前は《ロードスの聖騎士》が厳しかったんですが、《アレース》を手に入れてだいぶ楽になりました。カードパワーは正義。
典型的な負けパターンとして《聖樹の杯》のブーストからマウントを取られてそのまま負け、というものがありますが、そのような展開でも諦めずにじっくりやっていると相手がその後マナブーストの部分を固め引いてしまって息切れし逆転勝利ということも少なくありません。トリニティはそういう事故のありえるデッキなので、対トリニティでは諦めないということが大事です。
また、1ターン目の《聖堂領の修道女》は即座にガーディアンパワーで殺すようにしましょう。自分の展開を優先すると《聖堂領の格闘教官》を出されて詰みます。
対イズモ
ぶっちゃけるとイズモがオリンポスよりも優れているところは最序盤のテンポくらいしかないので、まあブン回られなければだいたい勝てると思います。
ツクヨミもスサノオも自分が攻めてるときしかガーディアンパワーが機能しないので、こちらが攻める側に回ることができれば勝ちですし、ゲームが長引くとガーディアンパワーの性能差の影響が大きくなるのでやはり勝ちます。
序盤にテンポ差をつけられる以外にほぼ負け筋がないので、そこだけ気を付ければ大丈夫です。