いつ使う? 恩恵のマナ

 前回に引き続き初心者向けのエントリです。

 

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 後攻のときのみ与えられる《恩恵のマナ》。通常のカードはコストが設定されており、例えばコストが3マナのカードだったらちょうど3マナ使えるときに使おうといった具合に、まだ慣れていないプレイヤーの方でもある程度はいつ使うべきなのか理解しやすいのですが、《恩恵のマナ》はコストが0マナ。使おうと思えばいつでも使えるだけに、いつ使うべきなのか大変悩ましいカードです。しかも、その判断はかなりダイレクトに勝敗を左右する。初心者の方からするとどうすればいいのかわからず困惑するポイントかもしれません。

 でもご安心ください。ぶっちゃけると私もいまだによくわかってません!!

《恩恵のマナ》を毎回最適なタイミングで使える人がいるとしたら、その人はまさにプロレベル。将棋だったら羽生さんの域に達しているのではないかと思います。それくらい《恩恵のマナ》をいつ使うべきかは難しい。

 しかし、とは言うものの大まかな指針くらいは示せるわけで、今回は《恩恵のマナ》をいつ使うべきか、その大まかな指針の解説です。

 

 例題をもとに考えていきましょう。

 

 

 

CASE1

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  後手1ターン目、手札はこの6枚です。

 さて、《恩恵のマナ》はどのように使うべきでしょうか?

 

 これは簡単ですね。1ターン目に《恩恵のマナ》を使い、2枚ある2マナのどちらかを出すべきです(アンピトリテを先に出すのがいいでしょう)。

 

 この手札の場合、2マナから5マナまで各マナ域での行動が確約されています。ですので、もし1ターン目に《恩恵のマナ》を使わなければ手札にある2枚目の2マナのカードを終盤まで持て余すことになってしまうでしょう。

 一方で1ターン目の行動だけは《恩恵のマナ》なしでは空白となってしまっているため、《恩恵のマナ》はこの空白を埋めるのに用いるのがベストです。

 

 

CASE2

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 同じく後手1ターン目。手札はこの6枚です。

 

 1ターン目に《恩恵のマナ》を使っても意味がない手札のため、相手の動きと今後のドローによるところもありますが、このケースではほぼ間違いなく2ターン目に《恩恵のマナ》を用いて《聖堂領の格闘教官》を出すことになるでしょう。

 3マナから6マナまでの動きは確保されているものの、2マナだけ空白なので、2枚ある3マナの片方を2ターン目に出してそこを埋めるのがいいでしょう。

 

 

 

CASE3

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 この手札の場合、1ターン目に《アテナイの海兵》を出してしまうとせっかく速攻を持てる能力があるのに無駄になってしまいます。しかし、1ターン目に《恩恵のマナ》から《海侵神 アンピトリテ》を出せば《アテナイの海兵》の能力を活かすことができます!

 …が、1ターン目は《恩恵のマナ》を温存して《アテナイの海兵》を出すべきです。

 1ターン目に《恩恵のマナ》から《アンピトリテ》を出せば、確かに2ターン目に速攻を持った《アテナイの海兵》を出すことができます。しかし、その動きは2ターン目に使える2マナのうち1マナしか使えておらず、無駄のある動きになってしまっています。

 さらに、この手札の場合3ターン目の行動が確保できていません。1ターン目に《恩恵のマナ》を使ってしまうと、最悪の場合3ターン目が何もできないターンになってしまうかもしれません。

 

 一方、《恩恵のマナ》を温存しながら1ターン目に《アテナイの海兵》、2ターン目に《アンピトリテ》と動いた場合、3ターン目に《恩恵のマナ》を用いて《彷徨えるゴーレム》を出すことができ、マナの無駄がありません。

 

 

 

 

 

 

 以上の3つのケースから、いつ《恩恵のマナ》を使うべきかを考える上でどのような点に注目すべきか、そのセオリーとして以下の2つが挙げられます。

 

①どのマナ域が空白になっているかに注視せよ

②ダブっているマナ域に注視せよ

 

 CASE1では1マナ域が空白になっており2マナ域がダブっていたため、ダブった2マナの片方を《恩恵のマナ》を用いて1マナ域として使うのが正解でした。

 CASE2では2マナ域の空白を埋めるためにダブった3マナ域を使うのが正解でした。

 CASE3では3マナ域が空白で4マナ域がダブっていました。

 

 この2つのポイントに注目するのが《恩恵のマナ》を使う上での基本となります。

 ただ、ここでの3つの例題では意図的に空白のマナ域のひとつ上のマナ域がダブりのあるマナ域となるように設定しています。実際のゲームではそのようになっていない手札が来るため、判断が難しくなります。冒頭で「《恩恵のマナ》をいつ使うべきかは難しい」と書いたのはそのためです。

 例えば、2マナが2枚と4マナが1枚、他は5マナ以上のみという手札が来たとします。1マナが空白で2マナがダブっているので1ターン目に《恩恵のマナ》を使いたいところですが、そのように動いてその後4マナ以上のカードしか引けないと3ターン目に動くことができません。3マナ域が引けるなら1ターン目に《恩恵のマナ》を使うのが大正解となりますが、引けなければ不正解となってしまいます。

 また、1マナから順に各マナ域が揃っている「先手ならブン回り」の手札も、空白のマナ域を埋めるために《恩恵のマナ》を使えというセオリーが通用せず判断が難しくなります。

 

 

 

 

CASE4

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 上に2つのセオリーを挙げましたが、それ以外にもセオリーはあります。

 

 後手1ターン目、手札はこの6枚で、先手1ターン目の相手の行動は何もせずパスだったとします。

 

 この手札の場合、1マナと5マナが空白で2マナがダブっています。

 5マナのカードはこれから4枚のカードを引くことができるため高確率で引けると期待できますし、4マナのカードを使ったり、より軽いカードやガーディアンパワーの組み合わせを使ったりしても構わないため、5マナが空白となっていることは問題ではないでしょう。

 つまり、上に挙げた2つのセオリーに基づいて考えるなら、この手札での正しい行動は1ターン目に《恩恵のマナ》を用いて《メンネフェルの踊り子》を出すこととなります。

 しかし、私はそれは誤りだと考えます。

 

 まず第一に、《メンネフェルの踊り子》を早く出すことの価値があまりありません。《メンネフェルの踊り子》はブロッカーとして使いたいカードです。更地に出しても別のレーンにユニットを出され、勝敗にほぼ影響しない1点クロックを刻み続けることしかできないでしょう。であるならわざわざ《恩恵のマナ》を使ってまで出すよりも、相手がユニットを出すまで温存したほうがいいでしょう。

 

 そして第二に、《恩恵のマナ》を温存した場合に得られる「《セクメトの殺戮》を1ターン早く使える」というメリットが非常に大きいからです。

《セクメトの殺戮》は非常に強力なリセットボタンです。多くのマッチアップでこのカードが良いタイミングで使えるかどうかが勝敗を左右する大事なポイントとなります。

 早々に《恩恵のマナ》を使ってしまうと、6ターン目まで《セクメトの殺戮》を使うことができません。相手に素早く盤面を構築されてしまうと、それまでにかなりのライフを削られてしまうでしょう。しかし、《恩恵のマナ》から5ターン目に《セクメトの殺戮》が使えたら? ライフの被害は小さく済み、余裕を持ってゲームを進めることができますよね。

 

 というわけで、《恩恵のマナ》を使う上での3つ目のセオリーはこれです。

 

③キーカードを1ターン早くプレイするために使え

 

 今回は《セクメトの殺戮》を例に挙げましたが、早くプレイすることの価値が高いカードであればAoEでなくともこのセオリーは当てはまります。

 

 

 

 

CASE5

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 最後にわりとしょうもない話。

 

《恩恵のマナ》はスペルです。よって、スペル詠唱時に誘発する能力を誘発させることができます。

 この例題では、1ターン目に1マナ域2枚を出すときにその順番を間違えないようにしましょう。先に《怪異 ネコマタ》を出し、それから《恩恵のマナ》を使って《ゲンジの傀儡女》を出してしまうと《傀儡女》は1/2のままです。しかし、先に《傀儡女》を出し、それから《恩恵のマナ》を使って《ネコマタ》を出すと《傀儡女》は2/2に成長します。どちらが良いかは明らかですね。

 

④スペル詠唱誘発能力を誘発させるのに使え

 

 現状ではスペル詠唱で誘発する能力を持つカードは《ゲンジの傀儡女》くらいしか使われていないのでこれはあまり重要ではありませんが、今後のカード追加で《怪異 コダマ》を使った強いデッキが生まれたりすると重要なテクニックとなります。

 

 

 

 

おわりに

 以上が《恩恵のマナ》を使う上で覚えておくべき指針です。

 いや、最後にこれだけ付け加えておきましょう。

 

⑤迷ったら早めに使え

 

 マナが多く使えることによる影響は序盤ほど大きなものとなります。ですので、《恩恵のマナ》は早めに使うほどより効果的であることが多いです。なんで、迷ったらとっとと使ってしまいましょう。

 

 

 最後に今回挙げた5つのセオリーをまとめておきます。これを覚えて後攻のときの勝率を上げていきましょう!

 

①どのマナ域が空白になっているかに注視せよ

②ダブっているマナ域に注視せよ

③キーカードを1ターン早くプレイするために使え

④スペル詠唱誘発能力を誘発させるのに使え

⑤迷ったら早めに使え

 

 ではまた!

 

 

 

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